ポンプについて

PC水冷システムの信頼性はポンプの信頼性にかかっています、ポンプが何事も無く動いていれば取り敢えず冷えますから、この辺は空冷のファンと同じですね、空冷でもファンが止まれば冷却が追いつかなくなり熱暴走してしまいますので。

さてPC水冷のポンプはその殆どが遠心ポンプ (Centrifugal Pump)という種類の物を使用しています、遠心ポンプの中にも色んな種類が有るのですがPC水冷で使用するポンプは構造的に一番単純な物ですし圧力は非常に弱いです、遠心ポンプでも羽が遠心力で押し出てきてハウジングと接しながら押し出すタイプ(ベーンポンプ)も有るのですがこのタイプは潤滑が必要ですので水では使えませんし常に羽がハウジングと擦れながら回転しているので非常に高温になります。
他に組込用の水冷でダイアフラムポンプといって膜が前後する事によって水を押し出すタイプも有るのですが吐出量が少なく自作水冷には向いていませんのでここではパスします、ポンプについてもっと詳しく知りたい方はプランジャーポンプ、ピストンポンプ、ベーンポンプ、ローラーポンプ等のキーワードで検索してみて下さい。

管理人が水冷を始めた頃は今のようにPC水冷に最適化したポンプやPC水冷で使いやすい様に何らかの改良を施したポンプなどは皆無でした、なので水冷をする方は殆ど観賞魚用のポンプを使用していました、ポンプの種類も少なかったので外国から個人輸入で色んな物を買ってみましたがなかなか良い物には当たらなかったですね~~
大きな流量の物が欲しくて買ってみたりもしましたが音や振動が大きくて使えなかったり発熱の凄いのも有りました・・・・・

 

【ポンプの外観】

遠心ポンプは外観こそ違えども真ん中から水を吸い込んで外側に向けてはき出しますの矢印で示されていなくても直ぐに判ります、この方式は必ず覚えておいて下さい。またPC水冷のポンプはインペラーがハウジングに接していないため吸い込む力があまり強く有りません、なので水を自給(空の状態から水を引っ張る事)が出来ないのです、動かす前には必ず何らかの方法でハウジング内に水を満たしておく必要が有ります、それから空回しをすると軸受けが直ぐに痛みますので厳禁です。



【ポンプボディー】

一部のポンプを除いてポンプのボディーは防水モールドされています、従って水中でも動作させる事が可能となっています、この構造を持っているポンプは殆どが観賞魚用ポンプの流用品となります、写真のポンプはドイツOASE社のポンプですがこれはガーデニングで使うミニ噴水用で用途としては観賞魚用とほぼ同じですね。



【インペラー】

ポンプの回転羽の事をインペラーといいます、インペラーは軸を中心に回転しておりポンプボディーの一番奥とハウジングの中心でその軸を受けていてます(軸の受け方が違う物も有り)、またインペラー後部に取り付けられた永久磁石とポンプボディー側のコイルの作用で回転し水を押し出します、回転物体ですから当然すり減ってガタが大きくなってきますがこれを交換すれば新品時の性能に戻りますよ。ポンプの振動や音が大きくなるのはこの部分のガタからくるものです。



【ハウジング】

ポンプ前部のこの部分をハウジング(カバー)と呼びます、この内側でインペララーの羽が回転しています。



【ボディーとインペラー】

インペラーがボディーに納まっている様子です、前部のカバーがインペラーの軸を受けていてセンターをきっちり保ちながら回転するのです、インペラーは浮いている状態と考えても良いと思います。



【ハウジング内側】

今度はインペラーをハウジング側に付けてみた図です、ハウジングと羽の隙間(間隔)が大きい物をオープンインペラータイプといい隙間が少ない物をクローズドインペラータイプといいます、この隙間がポンプの圧力(揚程)を決めているのです。観賞魚用はオープンインペラータイプでゴミなどを吸い込む事を想定して作ってあるので少々のゴミなら引っ掛からずにはき出してしまいますがクローズドインペラーはゴミには弱いです、PC水冷では中で魚を飼っているいる訳ではないですから組込前にきちんと部品を洗浄し残っているカス等を出してしまえばほぼ問題になることは有りません、但しシステムの密封が悪いと水と空気の作用で垢などが発生しやすいみたいです。



【ポンプの性能】

ポンプの基本的な性能を知るには性能曲線を見るのが一番です、表を見ていただけると判りますがこのポンプはLaing D5の性能曲線で流量最大17.5L/minになっている事が解ります、但しこのときの揚程は0ですから全く抵抗が無いときに流れる量です、逆に揚程は最大で4.1mですがこのときの流量は0です、ポンプの諸元はこれが元になっておりテスト装置で測った時の物です、実際にシステムとして組み込むと配管や水枕など様々な抵抗が有りますのでその辺を加味しておかないと思ったほど水が流れない場合が有ります、流量が大きいだけで圧力が上がらないポンプはPC水冷にあまり向いていないと考える事が出来ますね、沢山水を流したい場合は揚程値の高いポンプを選択すると抵抗による流量の落ち込みも少なく諸元では流量が少なくても結果的に沢山の水が流れる事になります。ちなみに揚程が2mなら圧力値でおおよそ20KPaです。

 

最後になりますが観賞魚用のポンプは水温35度付近を最高使用温度と推定して設計されています、これは生き物が相手ですからそれ以上の温度(お湯)では魚が生きていられないので当然の事なんですが・・・ですからポンプを長持ちさせようとするならば当然水温を出来るだけ低く保って運用するのが一番です、エアコンの効いた部屋でアクティブラジエターを使用していればまず問題となる温度まで到達しないのですが真夏のエアコン無しと言う環境では軽く35度は突破します、環境温度より水温が低くなる事は有りませんから当然と言えば当然です。もしエアコン無しの高温下でポンプを使用したいので有ればラングポンプを使って下さい、ラングポンプはDDCもD5も60度までOKです、60度までというのはハウジングが樹脂製であるためでハウジングが金属仕様のD5ならもっと高温にも耐える事が出来ますのでポンプ自体の耐温度性能は高いです、まあD5は元々温水を流す様に設計されたポンプなので当たり前なのですがね。



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